【書評】 東京弁護士会 LGBT法務研究部「改訂版 LGBT法律相談対応ガイド」(第一法規㈱)
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/104119.html
東京弁護士会の弁護士研修センター運営委員会内のLGBT法務研究部に所属する弁護士による、法律実務家向け性的マイノリティにまつわる法律問題に関する解説書。
2017年2月に初版が刊行されて好評を博していたところ、その後約4年間の自治体対応を中心とする社会の急激な変化や裁判例の集積を受け、2021年3月に改訂版が発行されました。
本書の特色は、なんといっても、初版の編集後記で五島丈裕弁護士が、「現時点で客観的に考えられる解釈の1つを示すものであり、その内容や表現においては、できる限りニュートラルであるように心がけました」と記すように、穏当かつ受け入れやすい内容であるということにあります。
このため、企業研修では、本書が参考書に最適であると考えられ、当事務所弁護士が行うLGBT研修では、いつも本書を紹介しています。実務家向けというふれこみですが、Q&A方式で構成され、平易な文章で書かれているため、企業のコンプライアンス担当者なら、難なく理解できると思います。
なお、東京弁護士会性の平等に関する委員会所属委員の執筆による、弁護士向けのLGBTをめぐる最新の裁判例研究としては、東京弁護士会「LIBRA」2021年1-2月合併号に「LGBT第2弾 近時の動向を裁判例から読み解く」があります。
https://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2021_0102/p04-22.pdf
こちらは、性的マイノリティの人権擁護という視点からの専門性の高い記事となっています。